前回の続きです。
因みに自分設定てんこ盛り。
そういえば、書いてから気付いたんですが、悟空ってブウ戦後って孫家にいない設定でしたっけ?
まあいっか(いいんかい
神殿でのいつもどおりの瞑想中、ただならぬ気が近づいてくるのにピッコロは気付いた。
悟天の気である。
それが猛スピードで自分のところに向かってきているということは、もしや地上でまた何かが起こったのではあるまいか。
考えうる限りの可能性を思い浮かべながらピッコロは瞑想の構えを解き、床に足をつけたのと、悟天が神殿にたどり着いたのは同時であった。
そして、その表情からも事態が尋常でないということが察せられた。察せられたのだが――
「ピッコロさんの卵から神様が出てきた!!」
バキィッ!!
開口一番に発せられたその言葉に容赦の無い鉄拳をお見舞いしてしまったのは無理からぬことだろう。
「痛い」だの「酷い」だの喚く悟天を「煩い!」の一喝のもと静めたピッコロは改めて事情を尋ねた。
「だから、兄ちゃんの卵がピッコロさんだったんだって!」
先ほどは混乱してしまったが故の発言だと思っていたが、どうやら悟天の情報処理能力が足りないだけだということが判明した。しかも、言ってることが前と違う。
「兎に角家に来てよ!来てったら来て!!」
再び、今度は「来て来て」と騒ぎ立てる悟天を渾身の一撃によって強制的に黙らせると、「仕方がない」と一言呟いて神殿を飛び立った。
そして、“それ”を目にしたとき不覚にも固まってしまったのは言うまでもないことであろう。
「いらっしゃい、ピッコロさん。悟天お帰り。」
“それ”――ナメック星人の赤子は、出迎えた悟飯の腕の中で静かに寝息を立てていた。
「悟飯、お前何処からそいつを攫ってきた?」
どうやらピッコロも正常な判断能力が止まってしまったらしい。
そんな師匠にとりあえず家の中に入ってもらい、人聞きの悪いと悟飯は苦笑を返した。
「僕が偶々拾ってきた卵がどうやらナメック星人のものだったらしくて……。
ピッコロさんが産んだんですか?」
「産むか!俺は戦闘タイプだぞ!」
「じゃあデンデ?」
「いや、デンデも違うだろう。第一俺が気付かないはずがない。」
「ナメック星人の人たちが地球に来たときに産んでいっただか?」
チチの予測にもピッコロはかぶりを振った。
「あいつらが来たのは何年も前の話だ。それも無かろう。」
基本的に妊娠という過程も無ければ、孵化にもさほど時間が掛からないというのがナメックの繁殖の特徴である。
「もしかしたら俺やデンデ以外にこの地球で暮らしているナメック星人がいるのかもしれんな。」
「それってあのとき帰らなかった人がいるってことですか?」
「さあな。
なんにしろこいつがもう少し大きくなってある程度言葉が話せるようになれば全て分かるだろう。」
言ってピッコロは静かに微笑んだ。
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この後神殿で引き取ると言ったピッコロに一家全員で猛抗議すればいい。
主にチチが。
あんな何も無い所じゃ子供の情操教育に良くないとか言って。
そんで仕方なく生まれたばかりのナメッコを孫家に託すことにすればいい。