本日ヘタリアイベント行ってきました。
スタッフの皆さん、サークルの皆さんお疲れ様でした。
つづきから海賊海軍パラレルその2です。
スタッフの皆さん、サークルの皆さんお疲れ様でした。
つづきから海賊海軍パラレルその2です。
「男は殺せ!女は捕らえろ!奪えるものは全部奪え!!」
声を張り上げて指示を飛ばしながら、アーサー・カークランドは注意深く周りを観察した。
何のことはない、本当にただの豪華客船。警備のために用意された人材も、至上最強最悪、極悪非道とまで謳われるアーサー率いる海賊団の前には赤子同然である。
しかし、彼は何か釈然としないものを感じていた。それは恐らく、情報源からくるものであろう。
アーサーは、この客船の情報を彼の弟であるアルフレッドから聞かされた。
アルフレッドは海賊であるアーサーと反発し、海軍に入った男である。いくら身内とはいえ、そう簡単に信用できなかった。
もしかしたら自分を捕らえるための罠かもしれない。
それでも誘いに乗るようにこの客船を襲ったのは、兄としての意地と、海賊としてのプライド故である。
数人の部下を引き連れ船内に歩を進める。
今や船体はボロボロ、更に火の手上がっているから船が沈むのは時間の問題であろう。
「船長、あれを」
そんな中、奥から一人分の人影がゆっくりとこちらに近づいてくるのが見て取れた。煙で全貌は分からないが、やけに小柄だ。逃げ遅れた子供だろうかとも考えたが、それにしてはこちらに向かう足取りがしっかりしている。
だが煙が晴れ、その姿を確認したときにはそんな疑問は全て解決した。
そこにいたのは辺境の蛮族だったのだ。
「貴方が船長ですか」
蛮族の方も、アーサーを見咎めて足を止める。尤も、船内の狭い廊下に彼らが立ちふさがっているのだから、止まるしかないのであるが。
「何だぁ?こんなところにサルがいるぜ?」
「脱出用ボートにサルは乗せられねぇんだろ。」
「だが蛮族は高く売れるからな。男も女も。」
「下種が」
海賊を前にして恐怖で声も出ないのかと思いきや、苦々しく蛮族はそう吐き棄てた。
青筋が浮かぶのが自分でも分かった。もとよりアーサーは気が長いほうではないのだ。
「おい、このサルに人間様に逆らったらどうなるか教えてやれ。」
彼が一言、そう命令すれば手下たちはすぐに動き出した。
辺境の人間は中央の言うことを聞いていればいいのだ。それがたとえ海賊であったとしても。
すぐにこの蛮族もそれを思い知るだろうとアーサーはほくそ笑んだ。
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最早別人。
誰だこいつら。
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