つれずれなるままに
聖闘士星矢L.C.です。
若干のヘタリアネタ(?)が入ってます。
CASE 1
夜の帳が落ち、生き物たちが夢を見始める。
空は満点の星。
落ちてきそうだとはまさにこのことだろう。
そんな夜の空、自身を守る星座を眺める一人の少女がいた。
彼女の名前はサーシャ。またの名をアテナという、この地上を守る女神である。
「ペガサスの襲名おめでとう、テンマ。」
彼女は誰もが見とれるであろう、まさに慈愛の神に相応しい微笑みを湛えて傍らに寄り添う少年を言祝いだ。
「ああ、ありがとう」
そして少年――テンマはサーシャが送るものとはまた違った、太陽のように輝く笑みを彼女に返すのである。
それは一見、不思議な光景であった。
一方は地上の守護神、他方はその守護神を守り抜く兵士の末端にすぎない少年。それが当然とでも言うように二人で並んで夜空を見上げている。
しかし、今ここにそれを疑問視する声はない。
「もう二年か……。」
ポツリと零れた言葉に、サーシャはテンマを振り返った。
「早いよな~。」
「ホントね。」
「俺さ、素質があるって言われて結構簡単にこっち来たけど、実は途中からすっごく帰りたくて仕方無かったんだ。
あ、でも今は滅多にそう思わなくなったけどな!」
自らの失言に目に見えて狼狽するテンマは、しかしその耳にクスクスと鈴を転がすような笑い声を捕らえた。
「やっぱりテンマもそうだったんだ?」
「え?じゃあ」
「うん、私もシジフォスに連れてこられる途中から、女神であることを棄ててでも帰りたくなっちゃって。」
駄目ね、と苦笑するサーシャにゆるゆるとテンマはかぶりを振る。
「そんなことないさ。サーシャは立派にやってる。
でも、うん、やっぱそうだよな。
飯にパスタが出ないのはあり得ないよな。」
「だよね。」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
でもサーシャあたりはマニゴルドにでも作らせてそう。