#注意#
・極悪英日(笑)です。
・R15(お下品な単語、台詞を見ても動揺しない年齢の方向け)です。
・その上R18(どんな展開でも笑って許せる年齢の方向け)です。
・完全に管理人の自己満足です。
一口飲んで、その紅茶の味に違和感を覚えた。
イギリスの紅茶は何度も飲んでいるし、自宅にも置いてあるが、今飲んでいる紅茶は今までに飲んでいた、自分の気に入りのものではなかった。いや、むしろ味としては自国の安っぽいインスタントに匹敵するほど劣るイギリスが出すにしては劣悪なそれであった。
茶葉を変えた?しかし、それにしたってイギリス自身味を見ないなんてことはないだろうし、そうしたらこの紅茶の味にも気づくだろう。
「どうした、日本?」
一口口に含んだ状態のまま固まっている日本を怪訝に見やりながらイギリスは尋ねる。そこで我に返った日本は「いえ」と当り触りのない言葉を選んでカップを戻した。
「もしかして疲れてたか?そんなときに呼び出したりしてすまない。」
「いえ、そうではないんです。
紅茶がいつもと違っていたので少し気になってしまって……。」
「ああ、茶葉を変えたからな。でも、中々旨いだろ?」
断定である。紅茶の本場である彼がこう言うのだからおかしいのは自分の方なのだろう。
恥ずかしさに顔が火照る。いや顔だけでなく体全体が熱い。
「?」
その時日本は自身の身に何か起こっているのを感じた。
「ああ、流石に早いな。」
イギリスの独り言につられて顔を上げれば、未だかつて見たことのない笑みが彼の表情を作っていた。
「イギリスさん?」
不穏な空気に日本は思わず身構える。しかし、そんなことをものともせずに強引にイギリスは日本の腕を取り、自分の方へと引き寄せた。
「っ!」
テーブルがひっくり返り高価なカップが割れる音をどこか遠くで聞きながら、日本は痛みに顔を顰める。
「日本、俺はお前がほしい。」
耳元の囁きに体がビクリと震える。
恐る恐る彼の顔を見上げれば、そこにあるのは獰猛な笑み。美しい湖面を思わせる翡翠の瞳は、今は捕食者のそれであった。
「安心しろ日本。もうめんどくさい会議や煩わしい仕事をしなくても住むようにしてやる。
これからお前は俺だけを見て、俺とだけ会話を交わせばいい。お前が聞くのは俺の声だけで、お前に触れるのも俺だけ。
お前には俺がいれば十分だ。
な?日本?」
顎を持ち上げられ、至近距離から覗きこまれる。
「本気……ですか?」
彼に触れられている個所が酷く熱い。
何かをされているわけでもないのに、息が弾み、下半身に熱が集まる。
「当たり前だ。
俺は欲しいと思ったものはどんな手を使ってでも必ず手に入れる。」
その言葉は恐らく本心からのものであろう。ならば、日本が取るべき行動は一つだった。
日本は掴まれている腕を振り払うではなくこちらに引き寄せ、体を後ろに倒した。
全力で抵抗し、暴れるであろうことは予想していたが、このような事態は予測の範疇になかったために、イギリスは引っ張られるままに日本の方へと倒れた。しかし、驚きはしたものの、このままいけばイギリスが日本を押し倒す形になるだけで、自体は日本にとって更に悪化するだけ。要するに墓穴を掘ったのだ、彼は。イギリスはそう思った。
しかし、腐っても日本。伊達に柔道発祥国、忍者を生み出した国をやっていない。完全に背が床に着くまでの数秒間でイギリスとの体の位置を入れ替えてしまったのだ。
かくして、床に倒れ、天井を見上げるイギリス、そのイギリスに馬乗りになり見下ろす日本、の図が出来上がった。
「そういうことならば私の方でも遠慮は無用、というものでしょう。」
見上げた日本の顔は、薬のせいで眼が潤み、えも知れぬ色気を醸し出していた。が、その涙の膜の奥底に妖艶な炎の蛇が蟠っていた。
猛烈にイギリスを襲う嫌な予感。
とにかくこの体制はまずいと体を捩じるが、どうがんばっても日本の下から抜け出すことができなかった。体格ではこちらに分があるにも関わらず。
「見苦しい抵抗はおやめなさい、イギリスさん。
イギリスさん、それより私、もう限界なんです。
なので――」
精々良い声で鳴いてくださいね
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アッー!!\(^o^)/